• 信州デザインコンペ
  • 2016.08.21

選考結果「信州デザインコンペ2016」

信州デザインコンペ

当会は、信州の地域特性を活かした信州ならではのデザイン提案を募り選考するデザインコンペ「LIFE DESIGN 信州」を過去8回開催し、地元デザインの盛り上がりに寄与してまいりました。
9回目となる今回からは新たに「より地元産業と結びつき、貢献する」ことを目的に、長野県内企業3社から商品化・実用化を前提とした課題を提供いただき、プロのデザイナーはもちろん、学生の方や、一般の方々から広く作品を募集いたしました。
その結果、ドイツを含め、日本の各地から180点の作品応募がありました。
今回設定された課題は上記の3つです。

◎選考基準
○実用化・商品化を前提としたデザインであること。
○商品の販売促進や、ブランド化に寄与することを目的にしたデザインであること。
○課題提供企業のヒアリング記載された内容に則したデザインであること。

◎選考経過
「第 一 次 選 考」 全応募作品を選考し、課題1:25作品、課題2:11作品、課題3:9作品を選出
「第 二 次 選 考」 一次入選作品から点数方式により、課題1:13作品、課題2:9作品、課題3:6作品を選出 その中から各課題で一番優秀な作品“優秀賞”を選出
「グランプリ選考」 各課題の優秀賞の中から、最も優れている作品をグランプリとして選出
「選考委員特別賞」 全応募作品から、各選考委員が1作品を選出
「学  生  賞」
「学生賞グランプリ」 学生作品の中から、優れている作品を選出 その中で最も優れている作品を学生賞グランプリとして選出
「入     選」 第二次選考で高得点の作品を入選として選出

選考結果ダウンロード(PDF:4MB)

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2016グランプリ「HOSHI RINGO」

〜対象課題「ほしりんご」3種類のパッケージデザイン〜

古畑 健太郎(ふるはた けんたろう)
古畑 理枝(ふるはた りえ)

ムラハタワークス(デザイナー)

無着色・無漂白という素材そのままの味を活かした「ほしりんご」は、品種による味覚や食感の違いがあり、多種多様なお酒との組み合わせも楽しめる可能性を秘めています。
そこで、みんなが集まる場所で、お酒といっしょにわいわい楽しみながら食べるためのデザインを検討し、買ってきてそのままテーブルに出したくなる「ほし(干し)=☆」とかけた星形のトレイ付きのパッケージを考えました。
トレイの素材は厚紙で、一見複雑な形状ですが、型抜きと折り込みだけのシンプルな造形で、見た目の可愛らしさだけでなく、こぼれにくさや、手にとりやすさなど、機能性にも配慮しています。


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2016優秀賞「おいしさをフレームに込める」

〜対象課題「信州北八ヶ岳山麓豚」生肉500gのパッケージデザイン〜

滝澤 亮一

株式会社エイブルデザイン

自然豊かな八千穂高原で大事に育てられた豚。その豚はやがて加工され、新鮮な精肉となります。
その精肉のパッケージデザインを考えたとき、まず思い浮かんだのは「フレームに納めたい」ということ。フレームに納めるという行為には、思い出や記録を大事に扱うという意味があります。1頭1頭大事に育てられた豚にこそ、ふさわしいのではないかと思いました。
また、私自身が精肉を購入する場合、肉そのものの質感や色など、ちゃんと目で見たいと考えます。口の中に入れるものなので、鮮度などの安全性を確かめたいという気持ちがあるのだと思います。この精肉のパッケージを、表裏見えるようにした理由はそれです。
製品化されましたら、ぜひみなさまご自身の目で鮮度を確かめ、大事に育てられた豚のおいしさを味わっていただきたいと思います。


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2016優秀賞「満点と満開」

〜対象課題「日本一の星空」「日本一のはなもも」の2種類のロゴマークデザイン〜

大井 福也

ANDAND(ブランディングデザイン)

「日 本一の星空」は日本一美しく星空がみえる場所に相応しい「星咲き満ちる」を、「日本一の花桃」は日本一美しく花桃が咲き誇る場所に相応しい「花咲き満ち る」を体現しました。コミュニケーション戦略としては、この二本の柱が際立ちながらも、統一連動性をもたせ、相乗効果を生み出せる設計にしました。世界観 としては、折り紙の星や花が類似する形であることに気づき、折り紙をモチーフに日本らしいデザインにしています。
一度も拝見したことがない絶景。
一生に一度はみてみたいという思い一心でデザインをつくりました。この絶景がロゴマークと共に来観者の皆様にとって、深い感動と美しい思い出になりますよう心より願っております。


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2016学生賞「まるごとほしりんご」

〜対象課題「ほしりんご」3種類のパッケージデザイン〜

重田 和輝

専門学校未来ビジネスカレッジ

今 回、私が応募したこの「まるごとほしりんご」のコンセプトは、タイトルの通り、りんごまるごと1つ分、という要素をストレートに表しつつ、その中でクラフ ト系の紙や落ち着いた色を使うことでプレミアム感や暖かさ、自然の恵み、など山下フルーツ農園様のこの商品へのこだわりをイメージできるようにデザインし ました。また、ほしりんごという商品自体をひとつのブランドとして確立できるよう、新しいロゴマークも考案し組み込みました。形状に関しては、商品上部の ヘタを引き抜くことで4つの弁が開くようになっています。ヘタ部分は筒状に丸めた紙でできており、そこに商品紹介等が記載できるようにしました。更に一枚 の紙に印刷し組み立てられるのでコストも低く抑えられます。


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2016水口克夫賞「日本一の星空」「日本一のはなもも」ロゴデザイン

〜対象課題「日本一の星空」「日本一のはなもも」の2種類のロゴマークデザイン〜

金森 陽子

株式会社アルビレオ

アシスタントデザイナー


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2016内田和美賞「豚のしっぽ」

〜対象課題「信州北八ヶ岳山麓豚」生肉500gのパッケージデザイン〜

中村 歩

牧野 喬

セイコーエプソン株式会社


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2016中沢定幸賞「りんご3姉妹」

〜対象課題「ほしりんご」3種類のパッケージデザイン〜

豊島 さちよ

主婦


入選

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「特別なホシリンゴ」

〜対象課題「ほしりんご」3種類のパッケージデザイン〜

森園 沙希


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「ステッチパッケージ」

〜対象課題「ほしりんご」3種類のパッケージデザイン〜

植松 晶子(株式会社日本デザインセンター)


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「山下フルーツ農園ほしりんご」

〜対象課題「ほしりんご」3種類のパッケージデザイン〜

梶川 遥・今市 達也・丸山 るい


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「きたやつがたけ36(サンロク)ぶたパッケージ」

〜対象課題「信州北八ヶ岳山麓豚」生肉500gのパッケージデザイン〜

溝口 諒(でざいんと・グラフィックデザイナー)

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「しぐさの変わる豚さんパッケージ」

〜対象課題「信州北八ヶ岳山麓豚」生肉500gのパッケージデザイン〜

溝口 諒(でざいんと・グラフィックデザイナー)


花桃ロゴ

「一番星」

〜対象課題「日本一の星空」「日本一のはなもも」の2種類のロゴマークデザイン〜

溝口 諒(でざいんと・グラフィックデザイナー)


tenの恵み

「tenの恵み」

〜対象課題「日本一の星空」「日本一のはなもも」の2種類のロゴマークデザイン〜

浅田 崇裕(デザインラボ ミル)


学生賞

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「大切な人と行きたい阿智村」ロゴマークデザイン

〜対象課題「日本一の星空」「日本一のはなもも」の2種類のロゴマークデザイン〜

大日方 春奈(長野美術専門学校)


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「北八ヶ岳の顔」

〜対象課題「信州北八ヶ岳山麓豚」生肉500gのパッケージデザイン〜

小引 翔(滋賀県立大学)


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「DRY SWEET」

〜対象課題「ほしりんご」3種類のパッケージデザイン〜

中林 裕希(長野大学)


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「まるごとりんご」

〜対象課題「ほしりんご」3種類のパッケージデザイン〜

百瀬 更(専門学校未来ビジネスカレッジ)


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「ほしりんご パッケージ」

〜対象課題「ほしりんご」3種類のパッケージデザイン〜

牧野 ほのか(岡学園トータルデザインアカデミー)


講評

「グ ランプリ」に選ばれたのは東京都のデザイナー古畑 健太郎さんの作品「HOSHI RINGO」です。この作品はお酒と合わせて「ほしりんご」を楽しむことを目的に、緩衝材を兼ねる紙製の星型トレイがパッケージングされ、目を引く仕上が りになっています。加えて単に製品をパッケージするだけでなく、「ほしりんご」を楽しむ「こと」までをパッケージで実現することを提案している点が高く評 価され、3名の選考委員の最高点を獲得しました。

選考委員  (コメントは審査会でのご発言より抜粋)

水口 克夫 氏

アートディレクター

株式会社Hotchkiss 代表

生 産者の皆さんが思いもよらない発想、価値づくりができるのがデザインなんだろうなと思います。(グランプリの作品について)せっかく「ほしりんご」という 美しい日本語の名前があるので、(うまくまとめやすい)アルファベットに逃げずに(日本語をどう美しく組むか)トライしてほしいと思いました。
私は金沢でも会社を持っており、「地方でのデザイン」が最近の自分の課題になっています。今回この審査に参加してみて、クライアントが直接皆さんのデザイ ンを見に来たりしてとても良いなと思いました。こうした活動が広がっていくと地方でデザインが良くなっていくのではないかと思います。

中沢 定幸 氏

アートディレクター
グラフィックデザイナー

中沢デザイン事務所 主宰

はじめての審査で緊張感を持って審査にあたりましたが、やはりグランプリの作品が(文字通り)一番光っていたように感じました。もったいない精神じゃないですが、皿としてリユースする・最後まで使い切る発想が、食卓での会話が聞こえてくるようでした。
常々、コンペ作品の提案したものが提案だけで終わらずに、製品・商品となって世に出て行く方が良いと思っていました。今回のこういったコンペで、クライアントの意見を聞きながら製品化に向けて進んでいってもらえたら良いと思います。

内田 和美 氏

プロダクトデザイン教授

富山大学 芸術文化学部

グ ランプリ作品には、ただ目立つとかではなく、お皿とし提案することで「皆さんと一緒に楽しみましょう」という価値が入っていました。これは買った後の信州 の食の楽しみ、信州ならではの楽しい会話や喜びを皆(生産者や流通者も含めた)で共有しましょうというモノへの物語が戦略的に入っていました。
今回審査をして選んで、さぁこれからこれをどう世に出していくかを皆で考える。コンペ自体が新しい領域に入ったと感じました。ここから先が正念場であり、ここから先が本当に面白いところだと思います。